ようこそ、カリーハウスMAHAREへ。
当店は鳥取県の東部、若桜町という人口3,000人ほどの小さな町にあります。
ここでは私達がこの店でお出しする「一皿」にかける思いを綴りたいと思います。
鹿肉は本当はケモノ臭くない
よく、「ジビエはケモノ臭い」と言われることがあります。
これは仕留めた鹿の捌き方に大きく左右されるのです。
当店でお出しする鹿肉は、「わかさ29工房(わかさにくこうぼう)」と呼ぶジビエ加工処理施設で処理された肉だけ。
この「わかさ29工房」は初めて鳥取県HACCP(ハサップ)適合施設に認定された施設であり、ここで捌かれた鹿肉は丁寧な血抜きと徹底的な衛生管理により、臭みのない鹿肉となります。
※HACCP(ハサップ)とは
HACCPとは、1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式です。Hazard Analysis Critical Control Pointの頭文字からとったもので、「危害分析重要管理点」と訳されています。出典:HACCP認証協会
この鹿肉はまさに「赤い宝石」。
カットしたばかりの新鮮な鹿肉は驚くほど赤く美しい
知る人ぞ知る料理人からの注文が多く、若桜町の「若桜29工房」で捌かれた鹿肉はすぐに日本中のジビエ料理店などに卸されてしまいます。
せっかくこれほど美味しい鹿肉を、最も鮮度のよいこの若桜町の地で食べてもらいたい。
こうした想いからこの店が生まれることになったのです。
参考:COURRIER【ミシュラン料理人も垂涎の「赤い宝石」鳥取の鹿肉を実食!】
鹿肉を安全に気軽に食べてもらいたい
ジビエ料理と言えば、フレンチを想像する人も多いかもしれません。
しかし、私達日本人にとって、ナイフとフォークで食べるフランス料理はやや堅苦しく、親しみのない人も多いです。
では日本人が大好きで、なおかつ鹿肉のジューシーさを感じられる食べ物は何か。
「ジビエ」と言えば不安視される寄生虫などを一切心配することなく楽しんでもらえる料理は何か。
それを追求した結果が「鹿肉を使ったカレー」でした。
「鹿肉の味がしない」「硬い」「砕ける」との闘い
カレーと決めたものの、カレーって味が濃いですよね。
繊細な旨さの鹿肉の味をいかにかき消すことなく楽しめるのか。ここから連日の鹿肉との闘いが始まりました。
部位を変える、煮込み時間を変える、カットを変える―。
どうしても自分が目指す鹿の味を堪能できるカレーになりません。加熱時間が短ければ柔らかいけれど、安全面で心配が残る。
しっかり芯まで火を通そうとすると赤身肉はゴムのように硬くなる。
何時間も煮込んでしまうとまるでシーチキンのように筋だけが残って舌触りが悪い。
連日、寸胴鍋の前で頭を抱える日々でした。
試行錯誤の末に誕生した鹿カレー
これがカリーハウス「MAHARE」でお出しするカレーになります。
柔らかさと歯ごたえ、鹿肉の旨みを感じてもらいつつ、豊かな深みのあるカレーを目指し、試行錯誤した結果の一皿になります。
どうぞ、このゆったりとした自然豊かな若桜町で日本一うまい鹿肉を使った自慢の鹿肉のカレーを楽しんでみてください。
カリーハウス MAHARE 店主